本日のディスカッションによれば、授業の配布資料がUniversal Passportや電子メールで配布されないことにいらだちや失望感を抱く受講生が少なからずいるようだ。授業資料のオンライン配布が浸透しないのにはさまざまな要因があるだろうが、ぱっと思いつきで以下のように考えてみた。
本学には幸いなことに、プリンター、コピー機、業務用印刷機をほぼ自由に利用できる環境が備わっている。だから、印刷資料を作成・配布するための環境整備にはコストがかからない。インクや用紙の代金が請求されるとしても大した金額ではない。例えば、今回の参考資料のように、B4用紙両面印刷の雑誌記事を100部印刷・配布する、ということもごくごくわずかな費用負担で実現可能だ。印刷の過程で失敗があったとしても、まあ大したことはない。やり直すとしても大した労力はかからない。要するに、コストが低いのだ。
一方で、資料をオンライン配布しようとすると、少なくともドキュメントスキャナーや書画カメラを購入しなければならない。大きなOAデスクが利用できるのが理想的だ。これらを大学備品として購入しれもらえなければ、すべてを自費で購入することになる。わずか数万円かもしれないが、教員に与えられている予算で賄えるとは限らない。言うまでもなく、大学備品を利用できたり、気前のよい同僚教員の機器を借用できるなら、このコストはゼロになる。
環境が整ったとしても、資料作成の習熟に至るまでの道のりは意外と険しい。例えば、A4サイズの雑誌を見開きで(つまりA3サイズで)スキャンしたい場合、コピー機のような気軽さでスキャンすることはできない。透明のアクリル板で雑誌を強くプレスして歪みを極力減らしつつ美しくスキャンするのは非常に難しい。スキャンのコツを習得するには試行錯誤が欠かせない。室内照明の具合によっては、スキャン画像が大きく乱れるので、特別な配慮が必要となる。一連の作業は、誰も助けてくれない。教員はいわば個人事業主だから、すべて自助努力で何とかしなければならない。特に、初心者にとっては気の遠くなるような道のりに感じられるだろう。
授業では、複数の資料を組み合わせた資料を配布することもある。はさみと糊を使った印刷資料の切り貼りやコラージュ(まさにカットアンドペースト!)ならいとも簡単なことでも、パソコンで作成するとなれば至難の業だ。サイズの異なる書籍や雑誌からの引用を、読みやすさと美しさを考慮して所定の用紙に配置することは、非常に難しい。画像が加わればなおさらだ。Microsoft Officeの利用を前提とした通常業務の範囲を大きく超える可能性が高い。
このように、授業資料のオンライン配布には意外にも大きなコストがかかる。日常のさまざまな業務で忙しくしている教員にとっては、少しでもコストカットをしたいというのが正直なところだろう。結果として、授業資料のオフライン配布が繰り返えされ、学生のいらだちや失望感がさらに大きくなってしまうかもしれない。そして、教員は自己研さんを怠っている、知識・スキルのアップデートから逃避している、学生の学びの足を引っ張っている...などという批判がうずまくことになるかもしれない。
大学ならではのとある最重要業務に携わっていると、同僚教員が「私の安いアナログ腕時計より大学が準備したデジタル電波時計の方が正確だ」「電波時計だから表示時刻は正しい」などと雑談しているのを耳にすることがある。とても残念な気持ちになる。電波時計に対する間違った期待や信頼を抱いている人は実際に多いと思う。
例えば、平均月差が±30秒の腕時計(100円ショップのダイソーで税込み550円)を使っているとしよう。1日あたりの誤差は±1秒なのだとすれば、始業時に時刻合わせをすれば、もし業務中に誤差が生じたとしても、それはたかが1秒だ。もちろん、1秒のズレが業務の正否・成否を左右するかもしれないが、そんなに悪くないのではないか。しかも、業務は24時間続くわけではなく、長くても8時間程度で(「9時5時で仕事をする」などと言うように)、24時間の3分の1に過ぎない。±1秒を3で割ると、業務中に生じる誤差は±0.333...秒だ。四捨五入したら誤差ゼロになってしまうから、慎重を期して切り上げ、±0.5秒としておこうか。1秒に満たない誤差はもはや無視してもよいかもしれない。それでも心配ならば、少しだけ投資して、平均月差±20秒を謳っているより高性能な腕時計を買い直せばよい。例えば、「電池式クオーツ カラーウオッチ」の一番左上にあるこの腕時計はどうだろうか。アマゾンで税込み1,800円で購入できる(2026年10月29日現在)。大学教員の給料ならまったく問題なく購入できる。
最重要業務で見かけるのは卓上型のポータブル目覚まし電波時計だ。例えばこの電波時計はアマゾンで税込み2,979円で購入できる(2026年10月29日現在)。過去1か月で50個以上購入されているようだから、悪くない買い物のようだ。だが、重要なのは時計としての性能だ。さきほどの製品紹介ページで参照できる取扱説明書をによれば、なんと平均月差±30秒だ。ダイソーの腕時計と同じだ。つまり、2つの時計は同じ性能だ。どちらも同じように正確に時を刻み、同じように表示時刻がズレていくのだ。
言うまでもないが、時計を利用する時に重要なのは、適切に時刻修正を行うかどうかだ。取扱説明書にも記載されているとおり、電波時計であっても、時刻修正が行われなければ平均月差の分だけズレてしまうのだ。メーカーが認めているのだ。電波時計であっても単なる時計に過ぎないのだ。さらに言えば、もっと重要なのは、電池切れが原因で業務中に時計が止まってしまわないように、十分に余裕を持って電池を交換しておくことだ。時計の性能を気にする以前にやるべきことがあるのだ。教員が業務中に利用する電波時計が時刻を正しく表示しているのは、管理・準備の担当職員が適切に時刻修正を行い、電池を交換したからだ。教員は馬鹿げた雑談をやめて、職員にちゃんとお礼をすべきだ。
2026年3月20日に三重県亀山市内の新名神高速道路で発生したスマホ脇見運転が原因の死亡事故をめぐる裁判で、被告に対して禁固刑7年の判決がくだされたことが10月20日に報道された。被害者が静岡県内在住者だったこともあり、静岡県内のローカルニュース番組でも大きく報道された。言うまでもないが、「ながらスマホ」は非常に危険だ。私は自動車をほぼ毎日運転するが、運転中にスマホを操作しようとは思わない。運転中のハンズフリー通話も危険を感じる。高速道路のような比較的見通しのよい事故が起こりにくい場所であっても、「ながらスマホ」によってハンドルやブレーキの操作がおろそかになりかねない。しかし、実際には、「ながらスマホ」を見かけることは多い。「ながらスマホ」はなくなっていない。
「ながらスマホ」は自動車の運転に限らない。自転車の運転も非常に危険だ。危険性は十分に周知されているはずだが、実際には、「ながらスマホ」をしている人は多い。特に、若者の「ながらスマホ」運転が目立つように個人的には感じている。「ながらスマホ+イヤホン装着」の組み合わせをしばしば見かけるが、見ているだけでも怖い。自分は違う、事故は起こらない、事故を起こさない、いざとなれば迅速に対応できる...などと考えているのかもしれない。
比較の対象が適切ではないが、「ながらスマホ」と同様に、業務時間中の私物スマホ・私的SNSの不適切な利用がなくなることはないと考えている。そもそも禁止されていることだ、公私混同は避けるべきことだ、などとわかっていても、スマホ携行への執着を抑えられない人はいるだろうと思う。スマホをロッカーに預けて職場に持ち込まないことを職員間で相互監視するというようなルールを設けても、ダミースマホを預けて監視体制を欺くような無法者はいると思う。不適切なSNS利用の事例を学校の授業や職場の研修で学んだとしても、時間が経てば内容を忘れてしまうものだ。そもそも、授業や研修の効果は永続するとは限らない。残念ながら私は悲観主義者なので、明るい未来を語ることはできないのが正直なところだ。
SDカードはアメリカのサンディスク、日本の東芝と松下電器産業の3社によって共同開発された。SDカードが日本ではじめて販売されたのは2000年上半期だ(PC Watchとモバイルセントラルの記事を参照のこと)。2000年5月9日には、松下電器産業(現在のパナソニック)からSDカード対応携帯音楽プレイヤー「SV-SD70」とSDカードの販売開始が発表された。発表会見を報じた記事によれば、64メガバイトのSDカードの販売価格は22000円だという(日本経済新聞2000年5月10日(水)朝刊13面)。現在では、64GBのSDカードが2000円程度で購入できる。この四半世紀の技術革新の結果は、価格は10分の1に低下、データ保存容量は1000倍に向上、という具合だ。パナソニックはSDカードの製造・販売をすでに終えていることも知っておきたい(最終発売は2018年11月)。
SDカードは身近でかつ気軽に利用できるメディアだが、デジタルカメラ衰退の令和時代の大学生にとっては必ずしも馴染み深いとは言えない。一番ピンとくるのは、車載ドライブレコーダーのためのデータ保存ではないだろうか。事件・事故を捜査する警察関係者が、現場付近の通行車両の運転者にドライブレコーダーの撮影データの提供を依頼する、というシーンを映画やテレビドラマで一度は見たことがあるのではないだろうか。私も実際に一度だけ警察から依頼されたことがあるが、当時はドライブレコーダーを利用していなかったために、ドラマのワンシーンを実体験することはできなかった。
ほとんどのドライブレコーダーにはmicroSDカードが挿入されている。カードを取り出し、読み取り用アダプターを取り付ければ、パソコンやスマホで簡単に撮影データを見ることができる。ドライブレコーダーを搭載した自動車を運転している家族や知人にお願いして、撮影データを実際に見てみるとよい。お願いする相手がいない場合、また、アダプターがないために撮影データを見ることができない場合、私に依頼してくれれば実際の撮影データを見せたいと思う。
日本で9月末から続いているサイバー攻撃・個人情報漏えいの被害を私個人は受けていないと思っている。ただ、日常的に利用しているウェブサイトがサイバー攻撃のために利用不可となり、とても困っている。サッカーJリーグ清水エスパルスのウェブサイトだ。
10月7日(水)未明、清水エスパルスの公式ウェブサイトが閲覧不可能となった。以降、ウェブサイトを通じたファン・サポーターへの情報提供が十分に行われていない状況が続いている。現在は暫定版のウェブサイトが公開され、試合開催情報などの必要最低限度の情報提供が行われている。エスパルスによれば、暫定版サイトの運用は10月末頃までが予定されていて、この期間内はXとLINEによって情報提供が行われるとのことだ。XとLINEのいずれもあまり利用していない私は、日々の情報収集がうまく行えず、ストレスフルな日々を送っているというのが正直なところだ。
すでに報道されているが、エスパルスの公式ウェブサイトが閲覧不可能となったのは、エスパルスが利用しているクラウドサービスへのサイバー攻撃が原因である。報道によれば、495の契約先企業・自治体の業務に影響が出ているという。エスパルスをはじめとする個々の企業・自治体にはどうすることもできない、致命的な問題が発生している。企業・自治体にできることは、業務を継続するために、不具合が発生しているクラウドサービス以外のサービスを利用して、ウェブサイトの構築・運用を急ぐことだ。
エスパルスに起こっている状況を乱暴にかみ砕いて説明すると、例えがとても悪いのだが、およそ以下のとおりだ。現在、エスパルスのオフィスは、従業員も来客者も誰も立ち入ることができない状態にある。エスパルスの自社ビルの入口の自動ドアが故障したことが原因ではない。エスパルスが入居している超高層賃貸オフィスビルの入口の自動ドアが故障したことが原因だ。オフィスビルに誰も立ち入ることができないという致命的なトラブルが原因となって、入居している企業・自治体のすべてが業務不全に陥っているのだ。非常に不幸なことで起こってほしくないことだが、そのようなことは起こりうるし、実際に起こってしまったのだ。
身近なコミュニティの特徴を知る、自分が暮らす自治体の歴史や政況に関心を寄せる、世の中の仕組みを理解する...いずれもほんの少しだけでも大きなメリットがある。より賢い市民になるための第一歩だ。デジタル社会の理解も情報通信デバイスの利用もまったく同様だ。ほんの少し視野を広げて、新しい知識をひとつふたつ習得するだけでよい。より賢いデジタル市民になるための第一歩だ。
スマホは常に「正しい時刻」を表示してくれる。スマホはとても優れた「時計」だ。時刻が大きくズレたのを見たことがないはずだ。だが、それは、スマホの「時計」が従来の置き時計や腕時計よりも高性能だからなのではない。スマホが優れた時刻補正機能を備えているからだ。
生成AIに「スマホの時刻補正はどうやっているの?」などと尋ねてみよう。すると、「ネットワークを通じて時刻補正をしている」旨の回答が得られるはずだ。主な経路はインターネット上の時刻サーバー、携帯電話基地局、GPSの3つだ(このことは、スマホの「時刻設定」に関連する画面からも類推できる)。あなたの日常のスマホ利用の際に、あなたのスマホはこのいずれかに必ずアクセスする。そして、スマホはその時に時刻補正を行うことになる。加えて、スマホの「時計」がそもそも高性能で、誤差も少ない(従来の置き時計や腕時計と同程度だ)。もともと誤差の少ない時計が確実に時刻補正を行うから、スマホは常に「正しい時刻」を示してくれる。
極端に言うと、時刻サーバー、携帯電話基地局、GPSのすべてにアクセスできない環境であれば、スマホの時計は誤差の範囲内でどんどんズレていく。おそらく、デジタル腕時計(つまり、電気仕掛けのクウォーツ時計)と同じ程度の「平均月差±15秒」だろう。運がよければ、半年から1年で1分程度ズレる可能性がある。買い替えでもう使わなくなったスマホが手元にある人は、ぜひ実験してみてほしい。
アマゾンプライムビデオで独占配信中のこの映画は、本学草薙キャンパスでも撮影が行われた。アマゾンプライムの契約者はぜひこの映画を見てほしい。非常に多くのシーンで校舎やキャンパス内の風景や写り込んでいるから、本学の学生なら誰もが「あそこだ!」「ここも!」と声を上げるはずだ。映画のエンドロールの「撮影協力」に本学の名称が記載されていることもぜひ確認してほしい。
本学ではこれまでにも、さまざまな映画・テレビ番組・ミュージックビデオの撮影が行われている。過去3年の作品には以下のものがある。
本学を含めた公立大学の重要な役割の一つは、地域社会に貢献することだ。映画のロケ地に選ばれることは、地域社会への直接の貢献だとは言えないかもしれない。だが、ロケ地に選ばれることで、映画の視聴者や出演者のファンが「聖地巡礼」「ロケ地巡り」のために地域社会を訪れてくれる可能性がある。そして、食事をしたりお土産を購入したりして、地域社会に「お金を落としてくれる」可能性がある(学内の食堂や売店を利用することもあるかもしれない)。さらに、SNSでの情報発信を通じて、より多くの視聴者やファンを地域社会に導いてくれる可能性がある。「聖地巡礼」「ロケ地巡り」は、地域経済を大きく動かす起爆剤となりうる、とても現代的な観光資源だ。授業や学内イベントを妨害しないことを前提に、上記の映像作品の視聴者や出演者・監督のファンには、いくらでも好きなだけ本学を訪ねてほしいと思う。『M.I.S.S.I.O.N.』の視聴者がすでに本学を訪ねてくれているようだ。本学の関係者として非常にうれしく思う。
「聖地巡礼」「ロケ地巡り」は最新の映像作品だけのものではない。例えば、旧清水市(現在の静岡市清水区)がロケ地となった映画『ビー・バップ・ハイスクール』は1985年公開の作品だが、昨年2025年12月13日(土)・14日(日)に、上映40周年を記念した「清水 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎祭」が開催された。主催者によれば、2日間で約6000人が来場したという。このイベントの盛況ぶりを「イベント公式グッズオンラインショップ」で公開されている映像を通じて確認してほしい。そして、「聖地巡礼」「ロケ地巡り」の意義や価値について価値についての理解を深めてほしい。